或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  66. THE家

3年前に八幡建設の社長に就任して、最初に取り組んだことは社内の意識改革だった。活性化委員会を新たに設置し、その中に『合理化チーム』『ESチーム』『戦略チーム』という3つの分科会を設けた。
次に最もやりたかったオリジナル商品の開発に取り組んだ。特に住宅部門においては急務だった。それまでにもそれらしきもの、たとえば『響』とか『彩』とか 『自然素材住宅』とかあるにはあったが、どれをとっても全て中途半端で、"八幡のオリジナル住宅"というには程遠いものばかりだった。それも無理からぬこ とで、時間もコストもかけないでいいものが出来る道理はなかった。
ネットワーク企業からのメンバーはすぐ選べたが、どうしても外部のブレーンが必要だった。一人は広報担当だが、この人物は私のすぐ身近にいた。以前は或る 大手の広告代理店に勤務していたのだが、播磨プレハブ住宅推進協会を通じてご縁ができ、3年間パナホーム兵庫の広報担当顧問の後、今も引き続き相談に乗っ て貰っているK氏にお願いをした。
今一人は大学の研究者が最適だと考えていた。いろいろと伝を辿った結果、兵庫県立大学の「志賀教授」にお願いをしたところ、快く引き受けて頂いた。教授は 『町家再生塾』というNPO法人の塾長もされておられ、今になって思うことだが、これ以上の最適の人物は見当たらなかった。おそらく先生との巡り会いがな かったなら、こんなに早く、これほどぴったりな『THE家』は完成していなかったと思われる。
ともあれ『THE家』プロジェクトは2004年9月24日に第1回の会合を開くことが出来たのである。「すまい」とは何かから始まり、先生から「ヴィトル ヴィウス」の建築の三要素についての講義を聴いたり、時には現場に出たり、KJ法的手法を駆使しながら、徐々にテーマを絞り込んでいった。
約半年が経過した頃やっとターゲットとコンセプトが明確になった。ターゲットは『団塊の世代』であり、コンセプトは『新しい価値を提案する家』であり、そ のキーワードは『愛着』である。「愛着」といっても二つあり、ひとつは『作る愛着』であり、いま一つは『住む愛着』である。テーマ別に3班に分かれ、何回 も何回も議論を重ねた。『作る愛着』とは、工程の段階でお客様に、何かをしてもらう、例えば「壁を塗ってもらう」「塗装(墨と弁柄を使用することにしてい るのだが)をしていただく」「釘を打ってもらう」「鉋をかけていただく」等々作業に参加してもらうのである。『住む愛着』とは、住めば住むほど味わい深く なる、とか、新築なのに以前から住み続けているような感覚の家、とかである。事実モデルハウスでは『作る愛着』については、壁の一部を私と女子社員で仕上 げた。(といっても遥かに女子社員のほうが上手かったが)『住む愛着』については、杉材を全てにおいて使用することと、墨と弁柄を塗ることで表現できたと 思っている。
また一方では、「値ごろ感」「商品イメージ」「規模」「外観デザイン」「設備」「性能」「可変性」「自然素材」「エネルギー」「機能性」等々に於けるポジ ショ二ングの確認を行い、それぞれについてハード面ソフト面から仕様書を作成していった。それと平行してプランが決まり本設計も出来上がり、2006年1 月に着工し、2006年6月3日に我々の『THE家』はオープンした。広報活動については私の思惑通り、当初からK氏をプロジェクトの参加メンバーに加え ることで何一つ危惧することなくスムーズに進んだ。
オープン2日で210組を超す来展者に恵まれ、2週間以上経過した今でも、来展者は途絶えることなく続いているそうである。今後の営業活動は大変勇気がい るが、能動的な営業活動はしないつもりである。あくまでお客様に合わせた営業活動をしていこうと思っている。
あちらこちらに《THE家》《THE家》《THE家》が立ち並ぶことを夢見ながら・・・・・
 

まさしくプロジェクト"Ⅹ"の世界である。そのメンバー諸君をここで紹介する。
 

  八幡建設株式会社 設計部長
工事部長
リフォーム設計係長
営業係長
上木 美和
秦 重樹
玉野 瑞穂
川西 康裕
 
  株式会社パナホーム兵庫 設計部長
設計課長
営業課長
工事係長
設計課
飯田 明
加藤 千佳
香山 恒紀
新宮 重善
多加 瑞穂
 
  株式会社リフォーム兵庫 営業課長 松本 直史  
  G3 代表 小林 孝直  
  兵庫県立大学 教授 志賀 咲穂