或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  5. 猫

猫を広辞苑で引いてみますと、「食肉目の家畜。エジプト時代から人に飼われ、偶像化され、神聖視された。現在では愛玩用、鼠駆除用など品種が多く、また毛色により三毛猫、烏猫、虎猫、雉猫などに区別する」とあります。
我が家に、もう4ヶ月以上も前から猫がいます。正式には、「預かっている」というべきかもしれませんが、います。名前は<カズ>といいます が、去勢してからは誰もそうとは言わず<カーコ>と呼んでいます。実は、倉敷で音楽の勉強をしている娘が、独り暮らしのさみしさを紛らわす為 に飼い始めたのですが、あちこちへ出掛けることが多くなり、我が家で面倒を見始めたのがきっかけで、今では3人の子供たちがいなくなった夫婦2人きりの空 間に、なくてはならない存在になっています。
私はもともと猫が大嫌いでした。食わず嫌いというか飼わず嫌いだったことがイヤというほどわかりました。[猫可愛がり]という言葉がありますが、これは まったくその通りです。朝は5時半頃から6時の間に、私たち夫婦の枕元に、目覚し時計よろしく、必ず起こしにきます。階段を降りる際には、踏みそうになる 位まつわりついて離れようとしません。事実、女房はその為に足を滑らせて、豊満なお尻をイヤというほど打ったそうです。かといって、捕まえて抱いてやって も少しも嬉しそうにはせず、頬擦りをしてもむしろ迷惑そうにします。しかし、そのまま放って置くと、いつしか布団の中へ潜り込んできたり、頭や顔をザラザ ラした舌で舐めにくるのです。追えば逃げる、無視していると擦り寄ってくる、手に入りそうで入らない、性悪美女そのもので、やきもきのしどうしです。
ゴルフに行った時は、大変です。必ず、下着やシャツを一枚ずつビニール袋に入れて帰ります。何故かといえば、猫の排泄物を処理するのにビニール袋が必要だ からです。余分に持って帰るのは、名誉あるゴルファーとしては気がひけますから、一袋に1枚ずつ使い、大体4~5枚頂くようにしているのです。
猫は、1日のうち3分の2を寝ておりますが、敏捷なことはこの上ありません。もちろん、カーテンや網戸は穴だらけです。黒と白の雑種ですが、我家へ来てか らは、私達夫婦に似てきたのか?いい顔になった、と近所の評判です。
緑色の目の奥から、彼は果たして私達人間をどう観ているのでしょうか。少々恐い気もする今日この頃です。