或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  44. それからの猫

今、長女はウィーンにいる。次男はやっと東京から帰って来て、この間ようやく運転免許証を取った。老犬(柴犬)サンタは16歳を迎え体力的には少々衰えたが、相変わらず家族に忠実だ。長男は4年前から当社で営業をしている。男2人は家から離れて姫路に住んでいる。 
家の中には我々夫婦のみであるから、当然愛猫『カーコ』中心の生活を送っている。
そのカーコが昨年7月に腎臓結石を患い、こともあろうに入院を余儀なくされたのである。たまたま家人が旅行と重なった為、私は山崎と病院のある竜野と会社 を駆け回る日々を過ごしたのである。幸い点滴(猫に点滴を打つとは、その時は恐れ入った)を2日ほど打つとすっかり良くなり、4日位で無事退院することが 出来たのである。私が病院まで迎えに行くと、それまでイライラが募り、時には毛をそば立てていたらしいが、「にぁ~」と言って、一転してやさしい顔つきに なった。
それから3ヶ月ほど経った頃に、また様子がおかしくなった。『朝、新聞を一緒に取りに行かなかった』し『いりこを"まぁ~まぁ~"と言ってねだらなくなっ た』し『夜中に開けている戸の隙間から入ってきて髪の毛を爪で引っ張ったり、ざらざらした舌で頬をなめなくなった』し、見た目にげっそりした感じになった のである。
これは大変、すぐさま前に入院した竜野市にある病院に連れて行き、血液検査の結果、肝臓が悪くなっており、貧血もかなりひどい状態だということが判明し た。注射も何回か打ってもらい、それから投薬生活が始まったのである。注射の時は考えられない位おとなしくしているそうだが、薬を飲ませるのはひと苦労で ある。私が仰向けにして抱え、女房が左手で口をこじ開け、そのスキに右の指で口の中へ蜂蜜で溶かした薬をなすりこむのである。
私は油断していて、胸と腹を丈夫な後足の爪で引っかかれ、特に腹部の時は血がしたたり落ち、入浴が出来ないくらい深い傷を負った。今でもその傷跡は残っている。
ようやく3月に入り、薬の量も半減し、朝も気が向けば一緒に新聞も取りに行くようになり、食欲も旺盛になり、体重も一時4.3㎏まで落ちていたが(元は5㎏あった)今は5.3kgでやや太り気味である。
私と女房とを上手に使い分け、夜の食事の時は女房の隣の椅子に行儀よく座り、食べ物をねだる。私が風呂から上がると踏みつけそうなくらいにまとわりつき、 夜の歯磨きを終わるまでじっと待ち、終わるやいなや『いりこ』をねだる。
私達が楽しく振り回されている今日この頃である。