或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  3. 年頭に思う

輝かしき'97年の年頭に際して、皆様方におかれましては、益々ご健勝でご活躍のこととお慶び申し上げます。
私にとってこの2年、すなわち'95年と'96年程早くて短い2年はなかったように思います。本当に文字通り「あっ」という間でした。
社会的な問題は別としまして、住宅業界に限ってのみ言えば、'95年1月の阪神淡路大震災に始まり、極度の職人不足、それを何とか解消し平準化したと思え ば、消費税の増大による受注の低迷と、アップダウンの繰り返しでした。消費税に関して弊社は、決定した3年前から手を打っていたにも関わらず、その波を少 なからずかぶっておりますが、具体的な対策を怠っていた業者の打撃は相当であると予想されます。
本年は、バタバタの2年間を取り戻す意味でも、ゆっくり腰を据えて過ごしたいと思っております。
私が最近思っていることの一つに、「人間には善人や悪人はいるのだろうか」があります。人間は人を判断するのに、何をもって善なりとするのか、あるいは悪 なりとするのかという疑問です。人間は時として(一般的という意味で)同じ人が良いこともしますが、同時に悪いこともします。あんな悪人が、という人でも 過去をさかのぼれば良いことの一つや二つはしているものです。
現在までの私の結論としては、人間に善悪は無いと思っています。というより我々凡人が決められないのでないかと考えています。ただ、あるとすれば良い行動 悪い行動はありますが、その行動そのものをとらえて即、悪い人間良い人間と決めてしまうのは大変恐ろしいことだと思っています。一度そのように周囲が決め てしまうと、その人間は永久に良きにつけ悪しきにつけそうなってしまいます。それをレッテルを貼ると言うのだそうです。
我々は今まで何枚のレッテルを何人の人に貼ったことだろうかと思うとき、私は自責の念にかられてしまいます。人は人を裁けないと思っております。だから法 があり、法律がやむを得ず人を裁いているのです。少なくとも私はこの先、レッテルだけは貼らないようにしようと決めています。でも本当に難しいことだと思 います。