或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  21. 或る決心

本当は『発心』と書きたかったのですが、私の薄い宗教心では申し訳ない気持ちと面映ゆさから、『或る決心』としました。
NHK番組で、日曜朝6時30分から、正確には6時52~3分頃まで、約22~3分間、四国八十八ヶ所巡りの旅を放映しています。ふとんの中でまどろみな がらか、居間で新聞片手にかは別として、余程の事がない限り、私の1週間のうちで決まった行動の一つになっています。「喜多郎」をBGMに「加藤登紀子」 の心地よいナレーションで、様々なゲストが1ヶ月毎に登場し、嫌味なく、まるで5月の風のように旅していきます。このつたない原稿がPHP誌に載る頃に は、丁度八十八番札所を迎えているかも知れません。(1月16日の放映は八十番札所白牛山国分寺でした。)
その番組の影響を受けた訳ではありませんが、この4月には是非私もその旅をする決心を致しました。実は1年前、会社の業績目標が未達の場合は行こうと心に 決め、密かにその準備を進めていました。幸か不幸か何とか目標数字が達成したので中止にした経緯があります。が、しかし本当の私の心の奥底には、目標を達 成してよかった、と云う気持ちより、八十八ヶ所巡りをしなくて済んだと云う思いの方が強かったのではないかと、実感しています。成る程目標数字は達成した が、達成したのは数字だけで、真の目標は達成していなかった事に気が付いたのです。全く情けない話ですが、その為に現在その"つけ"を払い苦労しているの です。
私も50歳を過ぎました。二十一世紀も目の前です。それがどうしたと云う訳ではありませんが、思い立ったら吉日と云う例えもあります。何かを得られるかも 知れませんし、また得られないかも知れません。もう、その辺りの事はどうでもいいと思っております。先ず始める事こそ大切だと自覚しました。
出発の日も決めました。白衣に身を包み、輪袈裟を首からかけ、金剛杖をつきながら、背中には『同行二人』と記して、自分自身がお遍路をさせて頂いている姿を今は、はっきりと想像出来ます。