或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  16. 猫パートⅡ

我が家には、10才になる柴犬がいる。性別は雄で、人間の年齢にすれば、もう還暦を過ぎているそうである。子供達(3人)に手がかからなくなった寂しさを 紛らわすためと、運動不足解消と、多少のダイエットの希望を膨らませた妻の強い希望で、私が知人を通じて買ってきたのである。最初で最後の一時間を超す家 族会議の末、『さんた』と命名をした。
以来、文字どおり雨が降ろうが槍が降ろうが朝は40分、夕方は20分、夜中は寝る前に家の周りの散歩を一度も欠かしたことはない。妻がいない時、体調を崩 した時は私がその代役を務めることになる。またこの2~3年前からは、ドックで引っかかった私のごく軽い糖尿病を妻が大いに心配して、朝の散歩に一緒に行 くように命令が下った。ゴルフの飛距離アップと体力作りにも丁度いいと思い、余程の事がない限り早起きして歩いている。
子供達と同じように甘やかして育てたものだから、「おすわり」と「待て」しか出来ない犬だが、特技もある。それは自動車のエンジン音で、3~40台はあろ うかという会社の社員の車かどうかを聞き分けることが出来るのだ。社員以外の車が駐車場に入ってくると猛烈に吠えるが、社員の車には吠えないのである。 ドッグフード意外のものは食べさせたことはないし、年2回春と秋には必ず予防接種を受けさせているし、冬の夜は家の中へ入れて暖かくしてやっている。その せいか、とても元気で1年に3回も毛が生え変わる。病気らしい病気はしたことがないが、少しでも便の色や硬さに異常がある時は、すぐ動物病院へ連れて行 き、早め早めの手当てをしている。
ある時、あれほど好きな散歩を嫌がる日が続いたので、診てもらうと「ぎっくり腰」になっていた。それはもう大変で、夫婦2人揃って手を変え品を変え看病し たものだった。ただ、心残りに思っていることは、彼が童貞のままで終わってしまいそうなことである。『さんた』が死んだら盛大に葬式をしてやろうとか、墓 は必ず建ててやろうとか、1週間くらいは泣き暮らす日が続くだろうとか、もう二度と犬を飼うことはないだろうなどと話している。


でも、猫の存在は犬のその比ではない。