或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

香山草紙 エッセイ集


  15. 「チャリティー展」について

十年一昔というが、ギャラリーの催しの中で11年間続いているものに、年末に行っている「チャリティーのためのミニアチュール展」がある。絵画から陶芸、 彫刻、写真等あらゆる分野のプロの作家80名程の方々から約230点の作品を出品して頂き、200名余りの人々から入札してもらい、毎年300万くらいの 売上げがある。そのうち、作家の方々へのお礼や経費を差し引いて、100万位を『はりま自立の家』正式には「(財)兵庫県心身障害児福祉協会」へ寄付させ ていただいている。
この『寄付させていただいて』で実はすべてを表しているのだが、もう少し詳しく記そう。100万位なら、といったら多少ぞんざいなものの言い方になるかも しれないが、本業で寄付する事はそんなに難しく、負担になる金額ではない。毎回毎回作家の先生方に出品依頼をし、その搬入や搬出に手間暇をかけたり、 200名近くの方に入札していただき、その当落を知らせ、代金の集金や作品の送付など煩わしい事、この上ないのである。
では何故そのような面倒くさい事を神経を使いながら行っているかというと、できるだけ多くの人々に"ボランティア"とは何かを知ってもらいたいがために、 また、自分以外の人のために何かをする、というすがすがしさを感じてもらいたいがために続けているのである。
京都の街で、托鉢の僧が商家の暖簾の前に立ってお経を読み上げていると、中からおかみさんが出てきて、お米か何かしらの金銭を鉢の中へ入れる。おかみさん は『恵んでやっている』と思っているかもしれないが、托鉢の僧は『させてやっている』と実は思っているのである。おかみさんの心の中にある物欲をはじめと する諸々の業欲を少しでも捨てさせてやっているのである。
作家の方々に出品させてあげているのであり、買わさせてあげているのである。だから、『寄付させていただいて』へと続くのである。その瞬間だけでもそう思うようにしている。