或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

十八か条の憲法

十八か条の憲法 <企業経営に関する基本的なものの考え方>

十八か条の憲法はもちろん、聖徳太子の十七条の憲法をもじって、それより一条だけ増やしたのである。その都度軽微な変更はしているが、基本的にこの10年 間は変わっていない。この拙著を纏めれば、この十八か条になるのである。つまり、生意気な言い分をすればエキスである。時間のない、また本を読む習慣のな い人は、この十八カ条だけでも目を通して欲しい。
■第一条
企業経営の目的は、お客様にお客様の視点に立った価値満足を提供し続けることである。
■第二条
経営の手法に良い悪いはない、正しい間違いはない、あるのは合うか合わないかである。
■第三条
現代は物の時代ではない、ましてや金の時代でもない、人の時代である。人間を無視する企業は21世紀中には消滅するであろう。
■第四条
生あるものは必ず滅びる。当然企業も消滅する。もちろん当社もその例外ではない。大切なのは、いつまで健康体で生きられるかである。それを決めるのは我々ではなくてお客様である。少しでも長生きをするためには、学習する組織でなければならない。
■第五条
内部志向で考えるな!外部志向で考えろ!利益は外にしかない!しかしながら、企業が潰れる原因は内にある。ともすれば、その逆を考えがちになる。また、利益とは出るものである。
■第六条
自責と他責と云う言葉がある。他責にするのは簡単である。しかし、そこからは何一つ問題は解決しない。
■第七条
企業が悪いのはいかなる理由を問わず、その責任はトップにある。部門もまたしかりである。これは私がこの何年間で得た真理である。
■第八条
コップ一個には一杯の水しか入らない。いい人材がないと嘆くのは己のキャパシティーのなさや、無能さを言っているようなものである。
■第九条
事を起こすに当たっては必ず意図をすることが大切である。なぜなら、上手くいっても失敗しても、その原因が解らないではないか!
■第十条
現代は知恵の時代である。しからば知恵はどこから生まれるのか?知識や経験からは決して生まれたりはしない。感と閃きから生ずるのである。では、感と閃きを磨くためにはどうすればいいのか?常日頃から真剣な問題意識をもち、専門書だけでなく、小説を読むことが大切である。なぜなら、研ぎ澄まされた感性を身につけておかなければ、現代のような激しい変化に対応出来ないし、氾濫する情報からどれが合うか合わないか、選択できないからである。
■第十一条
愚者は経験から学び、賢者は歴史から学ぶ。そして、もっと愚者は経験からさえも学ぼうとしない。
■第一二条
価値観とは便利な言葉である。しかし、使い方を間違えば押しつけになる。大切なのは従業員との共有化である。それも一つか二つでよい。
■第十三条
人は理論では動かない、勿論システムでも動かない、感情で動くのである。それも、納得という椅子に腰を下ろして初めて動くのである。
■第十四条
仕事の成果は、能力×意欲×システムである。その配分は、能力が40%、意欲が40%、システムが20%である。しかも、やっかいなことに、意欲はある日突然ゼロになるのである。
■第十五条
組織作りとは、すなわち規範作りである。その規範を組織文化にまで高めれば、独りでに組織は活動していくものである。
■第十六条
真実でオープンな組織でなければ仕事などできない。
■第十七条
経営とは、実践である。実践の伴わない経営はお遊びとしか云いようがない。
■第十八条
物事は、"修・破・離"で形成されていく。野焼きこそまさしく"破"であり、"離"すなわち新しい芽である。
 

経営幹部心得八ヶ条

一、孤独に耐えるべし。決して徒党を組むべからず。
一、部下にレッテルをはるな。はられたら、その部下はそこで終わりになる。
一、組織を私利私欲で動かすべからず。依怙贔屓などもってのほかである。
一、全体を把握して核心を掴め。
一、建て前と本音を使い分けるな。
一、秘密主義は疑心暗鬼を生ませると心得よ。
一、日々己の意気を新たにすべし。
一、名俳優たれ。最高の演技をすべし。やがてそれが本物になる。

営業語録

■其の一
営業の出発点は、第一印象にある。身だしなみ、言葉遣い、態度… 第一印象で全てが決まると言っても決して過言ではない。
■其の二
成功する営業マンの第一は何と言っても営業が好きな事である。イヤイヤしている人がいたら、直ぐ配置転換を申し出るか辞めた方が本人だけでなくチームにとっても得である。
■其の三
お客様に家を売っている間は売れない。知識やサービスや価値ある情報を売ってこそ本物の営業マンである。そして極めた営業マンは、自分を買ってもらうのである。
■其の四
何と言っても営業マンは笑顔である。我々は幸せと夢を売っているのである。暗い顔して家など売れる訳が無い。
■其の五
営業マンに疲れなど無い。言い換えれば、売っているあるいは売れている営業マンからは、決して疲れたとかしんどい等と云う言葉は出て来ない。
■其の六
営業ほど楽しい仕事はない。いよいよ判を押してもらう瞬間は誰にも味合わせたくない、などと思ってしまう。私など今でもその時の夢を見る位である。
■其の七
『話し上手は聞き上手』と言うが、全くしかりである。ヒアリング力、メモを取る癖で殆ど勝負が決まる。そして帰り際に取ったメモを繰り返し朗読し念を押すともっと効き目がある。
■其の八
少し親しくなったら何か物を持って行くと良い。簡単で安いもの、キーポイントは手作りである。取れたてのきゅうりとかイチゴとか栗や一寸した子供のおもちゃ(カブトムシ)等々。
■其の九
手作りグッズの一つにハガキがある。訪問後すぐ書きすぐ送る。そのハガキは絵ハガキを勧める。そのお客様のイメージに合った絵ハガキを送るのである。
■其の十
営業とは条件を通すことを云う。価格、工期、仕様、設計基準… 分かりやすく説明すると、例えば価格が0ならいくらでも契約出来るではないか。
■其の十一
今は知恵の時代である。他人と同じような事をしていては、結果はそれ以下である。『知恵と努力』、言い古された言葉であるが、結局そこへ行ってしまう。
■其の十二
自分の得意技を何か一つ持つ事がコンスタントに成績を上げるコツである。例えば、風水・税金・デザイン画・構造・家屋の歴史等々である。因みに私は6番アイアンである。
■其の十三
我社には他社に無い、いろんなシステムがある。言い換えれば、色々な種類のバイキング料理が並んでいる。それを自分自身で取り皿に盛って食べるだけである。
■其の十四
自分が担当するお客様は、ラッキーだと思いませんか? 何故って、それは自分自身が一生懸命尽くせるし、必ずそのお客様は自分が満足させる事が出来るじゃないですか。
■其の十五
営業は御用聞きではない。
「何かありませんか?」「ありません」
「その後どうですか?」「まだ先です」
営業とは、訪問の度に楔(くさび)を打つ事である。
■其の十六
競合になった時、勇気を持って「先ず私共で検討して下さい。それがお客様に合わなければ他とも比べて下さい」と言え。
■其の十七
オールオアナッシング(0か1)ではたまったものではない。せめて1棟か2棟にしてもらいたいものである。その為にも最低5件以上のホット客をいつでも持っている事が必要である。
■其の十八
あらゆる成功の秘訣はイメージ力にある。住宅の営業もまたしかりである。夜眠る前と朝起きた時、5分でいいから自分がトップセールスマンになったイメージを想像すると良い。 それに合わせて行動力が身に付いてくる。騙されたと思ってやってみて下さい。
■其の十九
営業は別名『心理学』である。『人間学』でもある。人は関わり合って生きるのである。それが腹から解れば面白いように売れる。
■其の二十
目的の無い訪問はいくら数を重ねても無駄でしかない。せめて奥さんの趣味、出身地、子供の学校、主人の勤務先、両親の健在、地域との関わり等々…を聞き出せ。
■其の二十一
いわゆるマイホーム主義者は住宅の営業に向かない。家庭も趣味も友人も、ある期間犠牲にしなければならない。ある期間とは、3年から5年が相当である。
■其の二十二
タイプ別カウンセリング営業を身に付け、それを自分のものとしてしまえば、年間30棟など軽いものである。
■其の二十三
お客様の警戒を解くポイントは、先ず自らがオープンになる事である。
■其の二十四
警戒を解く方法として、『ほめる』事を勧める。ペットをほめる、趣味をほめる、子供をほめる、その地域をほめる…等などである。
■其の二十五
警戒を解く為に、応酬話法を未だに使っている人を見受ける。応酬話法など百害あって一利なしである。警戒心をさらに高めるだけである。先ず受け入れる処から始めるのが基本である。
■其の二十六
信頼を得る為には、何が問題点となっているか、いち早く察知し解決するのが最も良いが、出来ない場合でも一緒に真剣に悩んであげる事が大切である。
■其の二十七
信頼を得る最大のコツは誠実さである。時間を守る、自分が嫌な事を相手にしない、要求しない。一度信頼を失えば、それは致命傷になる。
■其の二十八
信頼を得なければ、住宅の営業は前には決して進まない。その測定は、本音を聞き出したかどうかで行えばよい。
■其の二十九
ニーズは二つある。一つは顕在ニーズ、もう一つは潜在ニーズである。顕在ニーズに対しては、提案とは言わない。提示と言う。提案とは、潜在ニーズを示した時に言う。
■其の三十
潜在ニーズを探るのは簡単である。潜在ニーズを当てるのは難しい。どうもその辺を勘違いしているようだ。 探る為に、健康とか家族とか地域とかエネルギーとか環境とか快適とかの話題を提供するのである。
■其の三十一
ニーズを探る方法の一つとして、両極端法がある。是非遣って欲しい。道具も使わなければ錆びてしまう。
■其の三十二
予算は最大のニーズである。見積りで予算が大きくオーバーすること自体が考えられない。
■其の三十三
契約は提案で97%決まる。提案に命を賭けよ。その時になって初めて競合メーカーが判るなどはもっての外である。
■其の三十四
提案を成功させる為には、勿論ニーズが分かっていなければならない。その時の押え処は、ニーズの優先順位を付け、お客様に納得させておくことが上手く行くコツである。
■其の三十五
クロージングは毎回行うものである。営業とは、すなわちクロージングの連続なのである。次回のアポを取る、見学会に招待する、何か宿題をもらう、あるいは出す… 等々である。
■其の三十六
見積りと同時に契約、これは常識である。「後で連絡します」で連絡などあったためしが無い。
■其の三十七
「契約して下さい」が一番言いたくて、実は一番言いづらい事である。そのきっかけを色々と考えるのである。例えば、大安とか誕生日とか、家族の記念日とか。
■其の三十八
見積りの成約率が50%を切る営業マンは何か問題があると思ってよい。そんな数字は普通では考えられない。
■其の三十九
なかなか決断出来ないのは、お客様でなくて、自分自身が決断できないからしないのである。その原因は内にあり、である。
■其の四十
営業の高等テクニックの一つに、相手を不安がらせるやり方がある。その解決策を提示することで、結論を出せる状態をつくるのである。
■其の四十一
紹介のコツは「紹介して下さい」と言うこと。それも契約時に依頼し、上棟までがポイントである。『鉄は熱い内に打て』である。
■其の四十二
住宅営業とは別名ドラマ制作である。ドラマドラマの連続である。いくつドラマを創るかが、営業マンとして自立していくポイントである。
■其の四十三
現代の住宅営業はお客様の家に上げていただく事から始めよ。来社・来展では普通の商談になってしまう。家庭内に入り込む事を考えよ。
■其の四十四
営業マンの中で大変な勘違いをしている者がいる。自分は天才だと思っている。一度や二度の訪問でお客の心や想いなど解るはずがないのに。
■其の四十五
娘を甘く見てはいけない。男親は殊の外、娘に弱い。いわゆる陰の決定権者である。娘を持つ私が言うのだから間違いがない。
■其の四十六
住宅営業はヒューマンスキルをいかにして磨くかである。その為に小説を読む、映画を観る、美術館に出かける… 等々、いわゆる疑似体験をいかに積むかである。
■其の四十七
出来ない理由はいくらでも挙げられる。挙げてどうなると言うのだ。理屈を並べているうちは業績は上がらない。
■其の四十八
出来ないのは出来ないと思っているから出来ないのだ。壁は自らが破る為にある。年間30棟位契約してみると、全く違った別世界が見えてくるものだ。
■其の四十九
1ヶ月ゼロ棟なんか私には耐えられない。ましては3ヶ月ゼロ棟だったら私は生きていけない。つまる処は意識である。
■其の五十
住宅営業の最後は『愛』である。これが解るのに私は20年かかった。君達は、ラッキーである。
 

御文章 ~幾代にもわたる繁栄のために~

企業は常に「生成発展」しなければならない。それが資本主義の原点である。我々は、人間が生きていく上で最も重要で欠くことのできない要素=衣・食・住のうち、住に携わっていることを誇りに思い、歓びを感じなければならない。企業経営の目的は言うまでもなく、関わる全ての人が幸せになることである。関わる全ての人とは、社員とその家族、パートナーとしての下職とその家族、そしてお客様である。尚、お客様とは、当社で建てていただいた方と、私と関わる全ての人である。
「生成発展」を繰り返し、「幸せを享受」するためには、その財源を確保しなければならない。無から有は生じないからである。財源を確保するためには、売上を伸張するか、もしくは粗利額を増やさなければならない。売上とは数量×値段(単価)である。数量を増やすためには、間口の拡大を図るか、生産性を向上することが肝要である。間口の拡大には、拠点を展開し、新しい商品を開発し、需要を創出する必要がある。そして、常に「増客」を図らなければならない。生産性の向上を図るためには、「意欲」と「知識」の両面から、社員の教育を継続的に行うことが大切である。また、値段を上げるためには、付加価値を高める以外にない。粗利額を増大していくには、「お客様の満足」が絶対的条件である。何故なら、粗利額=満足度だからである。
我々の事業分野は「受注産業」である。故に常に増客を心がけ、確保しておかねばならない。そのことを、特に幹部やリーダーは肝に銘じておいて欲しい。増客を図る方法はいくらでもある。モデルハウスに来た人はもちろん、各種イベント・紹介・全社員の身の周りの人々など、無尽蔵である。その中で見落としがちなのは、我々が建てたアパートやマンションの入居者である。今一度、システムとして見直すべきである。業績を安定させるための最大の方策は、繰り返し受注をいただくことである。また、賃貸管理はダイヤの原石である。そこから安定した利益を創出することは急務である。
奈良東大寺の二月堂で執り行われる『お水取り』は、今年(2011年)で1,260回を数える。あのローマは、王政~共和政~帝政と統治形態を変遷しながらも1,200年続いた。今、世界で1,000年以上続いている企業が7社あるそうである。そのうち2社が日本の企業である。企業は理念や哲学が最も重要である。しかし、同じくらい大切なことは、立てた戦略に基づいて実践することである。いわゆる「知行合一」である。企業は今も昔も「ナンバーワン」か「オンリーワン」でなければ勝ち残れないし、成長しない。その先は消滅しかないのである。生成発展し、健康体で勝ち残るためには、売上と粗利額の増大を図らなければならない。営業利益率は3%、自己資本率は最低40%を確保し、借入金もできるだけ少ないほうが良い。コミュニケーションは十二分に取り、風通しを良くしておかねばならない。社員業は社長代行業であると心得、向学心を持ち、努力を怠らず、常に感性を磨くべきである。左脳だけでなく、右脳も鍛えなければ、あらゆる変化に対応できない。
今こそ愛社精神を持ち、一致団結し、自分自身のために、自分の家族のために、自分のチームのために、会社のために、地域のために、愛する日本のために、そして地球のために、前向きに明るく、力強く前進して行こうではないか。
〈今、私が考えられることを、遺言書のような想いで書き綴った〉

平成23年2月 香山廣紀