或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


第三部 ~すべてはお客様のために~


第一章 ライムライト

今サンホームの全社員を集めて、最近購入したプロジェクターを使って映画鑑賞をしている。何を観ているかといえば、チャップリンの『ライムライト』であ る。何故観ているかといえば、今期すなわち22期の目標であり、現在(27期)においてもスローガンとして掲げている『夢と勇気』の由来とそれを徹底させ るためである。足の悪い主人公の少女が、生きる望みを失い自殺を図る。その少女にチャップリン扮するピエロが、「人間は、夢と勇気と少々のお金があれば生 きていける」と、諭すくだりがある。その感動の物語を通じて、目標である『夢と勇気』をより理解してもらいたかったのである。
因みにここ7年の間の目標と基本方針を列挙してみると、《21期》「変革」から「自立」へ《22期》「夢と勇気」~ハートのある行動~《23期》ビジュア ルなやさしさ《24期》味方を増やす~オンリーワン企業~《25期》お客様満足度100%~オンリーワン企業~《26期》お客様満足度100%~お客様重 視からお客様視点へ~《27期》成長~心地良さの追及~である。
社内のいたる場所と各モデルハウスには、今期の目標を記したパネルが表示されている。

 


上記の様にである。


新しい期が始まる1ヶ月前に主な幹部と、事業計画策定会議を行う。毎年何人かは入れ替わりがある。その会議に出られるのは一種の報奨なのである。そこそこ の地位にいても前の1年間私が見て、その資格のないものには策定会議に出席させない。先ず私の方針を約2時間ほどかけて説明する。それについて各部署ごと に討議が行われる。その結果を持ち寄って中間で1回目の発表が行われる。そこで他のメンバーから質問や意見が出る。しかし多少遠慮が有り余り活発とはいえ ない。私は手厳しい意見や感想を述べる。また持ち帰りそれぞれの部署で様々な指摘事項について討議が始まる。このようにして会議は朝から深夜にまで及び、 私を納得させる内容になるまで行われる。昔は一泊で行っていたが、今は一日で終わる。
その基の基になっているのが、当社で五重円図と呼ばれているものである。図を書いて説明したいが、そうもいかないので文章で表すと、真中の芯のところは 『心の経営』になっており、次の円の中は『CS宣言~お客様視点~』三つめの円は『オンリーワン企業』であり、ここまでが理念や哲学や基本的な方針を示し ている。四つめの円の中は戦略になっており三つに区切られている。一番目の囲いがONE TO ONE戦略であり、その外側には14項目の戦術が連なって いる。二番目の囲いは社会開発運動で、同じくその外側に8項目の戦術があり、三番目の囲いはESで、9項目の戦術がある。最も外側の戦術項目は半年毎に見 直しているので、その都度変更したり増えたりしている。五重円図もカラー刷りにして、運営方針とならべてパネル化して各所に掲げている。
これだけ時間とエネルギーを費やして事業計画を立て理解をさせ、徹底を計っているにも関わらず、私が意図するレベルに程遠い結果にしかならない。真に企業 経営とは難しくて奥の深いものである。多くの住宅会社が行っているような戦術、例えば《限定の安売り》とか《土地政策のみ》とか《建売》とか《ピンはね一 括外注工事》等々を採れば収益は上がるのだが・・・と一瞬思ってしまうこともある。  私は企業も人間も『生きた証』を残すために存在していると思っている。これからも私は『生きた証』を残すために生きる。命の続く限り。

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