或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


第三部 ~すべてはお客様のために~


第一章 バイキング料理 ① グリーンカード

日本のサッカーも相当レベルが上がり、対等とまでは行かなくても世界で戦えるところまではきつつある。来年ドイツで行われるワールドサッカーに苦戦をしな がらも、アジアの代表として出場することが決定した。その予選会のテレビ中継は深夜にもかかわらず、高視聴率を確保したと報じられている。サッカーという スポーツはごく単純なゲームで、実にシンプルである。シンプルであるが故に奥が深くて見る者もプレーする者も夢中にさせてしまう。唯一ルールといえばオフ サイドくらいである。仮にオフサイドがなければとんでもなくつまらない競技で、こんなに人気もないだろうし、また継続もしていなかったと思う。
その他の決まりとしては、危険を感じさせる行為については厳しく罰せられる。例えば北朝鮮が負けた試合の後、サポーターが相手チームの選手や関係者に対し て暴挙に出たことがあった。次の試合は北朝鮮のホームでの試合だったにもかかわらず、協会はそれを許さず、第三国でしかも観客ゼロという状況で試合をさせ た。そして個人的にも危険で卑怯な行為に対し審判はイエローカードを、更にもっと危ない行為にはレッドカードを毅然とした態度で発行する。実はそこからヒ ントを得たのが、グリーンカードなのである。
人間は他人の欠点はよくわかる。ゴルフのスイングも自分では完璧、と思っていても実は連続写真とかビデオなどで見てみると、とても自分の描いているスイングとは程遠く、俄に信じがたいフォームになっている。
当社では月末に上司が自分の部下がとった行動の中で、最も良かったと思われるものをカードに書き記して、私宛に提出することになっている。中間の管理職 は、観察もするが評価もされるという微妙な立場になる。私も秘書と管理部長の二人については書いている。そのカードの色がグリーンなので、グリーンカード と呼んでいる。何故グリーンかといえば勿論エコを意味しているからである。その中で、これはと思うものを毎月の月例報告会で披露し、緑賞と称して千円分の 図書券と共に表彰している。しかしこれがなかなか難しい。『行動』をと、言っているにもかかわらず、様子とか、雰囲気とか、思いやイメージ的なことを記す 者が後を絶たないのである。行動でなければ何の説得力もないし、私も評価のしようがないのである。
一つ二つ例を挙げると、『彼女の感心なことは、兎に角毎日朝8時に出社し清掃します。うちの部署に来て半年、一日も遅れたことはありません。また全ての行 動が素直です。返事は「はい、分かりました。」と言います。業務上のことで指導注意したことは、必ずメモをとりすぐ実行しています。大分自分の事業部とい う意識が強くなってきたようで、上期受注進捗表を作成し、その表を見て頑張ろうと思って貰えたらうれしいですと、コメントしていました』。また『今月から お引渡しのお客様に額入りの完成写真をお渡ししたり、オリジナル色紙に各担当者や下職の方のコメント入りの寄せ書きをしてお渡ししている。お客様にご満足 をして頂くために色々と工夫をしているのが素晴らしい』。さらに『女性にもかかわらず今月初めて「蜂の巣取り」にチャレンジしていただきました。というの も「自分で出来る事は自分でやる」の方針のもと、是非やってみたいということで、賃貸管理センターのメンバーやサービスセンターのアドバイスを受けて、見 事成功しました。彼女の積極性やバイタリティは我がチームに欠かせません』と、言った具合である。
直近に意識調査を行ったが、その一つの項目であるグリーンカードについての社内での評価は、大いに賛同できるが32%、賛同できるが34%、どちらとも言 えないが28%、あまり賛同できないが2%、全く賛同できないが3%だった。外部の評価は圧倒的に支持を得ているが、実際現場で長く続けていくという事は 様々な問題点を含んでいるかもしれない。因みにこれは少々自慢になるが、そのとき同時に行った項目で、当社の戦略及び方針について問うたところ、大いに理 解できる32%、理解できる58%、どちらとも言えない7%、あまり理解できない3%、全く理解できないは0%だった。理解できるが90%を越す企業はそ う多くない。それだけ理解し賛同しているのなら、個々のシステムや戦術をもっと積極的に活用してもらいたい、と愚痴りたくなる。つくづく企業経営の奥の深 さを思い知らされている。私の悩みはまだまだ続く。

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