或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


第二部 ~豊かさと自由を求めて~


第一章 FR宣言

我々は「豊かさと自由」を享受しなければならない


「豊かさ」だけではいけない、ましてや「自由」だけでもいけない
我々はその両方をバランスよく享受しなければならない
その両方を享受するためにここに二つの価値観を提唱する


一つは
―――人間とは?――――
であり、今一つは
―――すまいとは?―――
である


あらゆる人間は決して一人では生きてゆけない
それはロビンソン=クルーソーの例を観るまでもないことである
すなわち人間は時代を越え、性別を越え、あらゆる階層を越えて、かかわり合って生きているのである
人間とはかかわり合いの中で生きるものなのである


一方、あらゆる人間が暮らし、我々が社会的使命を背負いながらたずさわっている「すまい」は本物でなくてはならない
しからば本物とはよく考えられた創り出されたものでなければならない


―――人間とはかかわり合いの中で生きていくものである――
―――すまいとは創り出すものである―――
この二つの価値観は(株)サンホーム兵庫にかかわるあらゆる
全ての人が共有する価値観である


これはちょうど5年前に、今から書こうとしている拙著の前身にあたる、或る二世経営者の挑戦~君 は父親を越えられるか~を書き終えてから、今後のサンホーム兵庫の進むべき方向を模索していた時に、閃き纏め上げたものである。その当時、プロ野球界で FA宣言が取り入れられ流行していたので、それを捩ってFR宣言と名付けた。F=フリーすなわち自由。R=リッチすなわち豊かさ。
それでは一体自由とは?豊かさとは?となると大変難しいものである。二つの観点から考えてみよう。
一つはサンホーム兵庫と言う企業における豊かさとは?であるが、なるほど5年前に比べると企業内容は随分変わった。平成9年3月度(第18期)には念願 だった百億円企業(かなり不本意だったが144億5千万の売り上げ、何故不本意だったかは後述する)にもなり、利益も9億近く上がった。借入を1円もせ ず、隣の土地を買い新しく社屋も建てた。その記念も含めて社員は勿論のこと、その家族、協力業者、お客様総勢300名と一緒にハワイへ行き、大祝賀パー ティも行なった。平成大不況の波は当然我が社にも押し寄せてはいるが、なんとか食いとどまり、この時期(平成10年12月)世間並み以上に賞与も払うこと が出来た。又、自由という観点からしても当たり前のことだが、我々の時代(休日はあるにはあったが、実際は殆どなく、せいぜい年間40日位で、勤務時間も 朝は7時半から夜は無制限)とは全く比べものにならない程充実し、週休2日となり年間130日以上になっている。
個人的な見地からしても社員の平均年収はおそらく、550万位にはなっているだろうし、休日もかなり自由に取っているようだし、殆ど規則らしいものもない し、仕事も自主性に任せている。一般的に云えば豊かであるし自由闊達である。で果たしてそれが我々の求めている、或いはこれから求めようとしている『豊か さと自由』なのかどうかというと、少々疑問である。要はレベルと次元の問題である。地球規模で考えるのか、宇宙規模なのか、はたまた三次元空間なのか、四 次元空間で思考するのか、それとも相対的に捉えるのか、絶対的に捉えるのか、と云う問題である。つきつめれば当たり前のことだが、正解など無いのである。 でも唯言える事は、森羅万象この世に生を受けたものあらゆるもの全て、動物も植物も自分以外のものの為に何かをするため、あるいは役立つ為に生かされてい る事だけは確かである。その辺に正解があるとすればあるような気がする。
イメージ的には、私を含めた(株)サンホーム兵庫に係わる全ての人が、生き生きとして自分自身のライフワークを持ち、世界のリゾート地で1ヶ月位過ごした り、またボランティア活動を熱心に行っている、と云った感じである。
FR宣言をして5年の年月が過ぎようとしている。この5年間は、毎年目標を達成し、その度に海外へ社内旅行をしてきた。ギャラリーも少年サッカーも12年 目を迎え、内外の評価も得、当初の目的も達成しつつある。この平成の大不況も何とか乗り切れそうだし、上場も検討している。また或る女子プロゴルファーと 契約もした。
しかしながら、企業経営はそんなに甘くはない事は、歴史をひもとくまでもなく、過去のほろ苦い経験からも、痛いほど解っているつもりである。そして、この 21世紀を挟んだ3年間がどれほど大切なのかも充分過ぎるほど心得ている。その為に何をどうしたら良いのか、少し論理的に思考するために整理の意味も含 め、再度この物語とも随筆ともいえるものを書き始めたのである。これが書き終える頃には、思考が結晶化していることを信じて。

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