或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


第一部 ~君は父親を越えられるか~


第三章 基本理念を教えてくれた人

サンホーム兵庫の基本理念は「心の経営」である。「心」と、一口で言っても二つの考え方がある。一つは、「企業も社会もその主役は人である。故に当社は人 間性を尊重する事を第一とし、常に感謝の心を忘れず、仕事を通じて社会に貢献する事を最大の目標とする」であり、もう一つは、「プラス発想のみが自己実現 につながる。すなわち、素晴らしい人生にするために、大きな夢を持ち続ける事である」
前段は、感謝の心であり、奉仕の心と云う意味である。私などは特にそうだが、物事が上手くいくと自分の手柄にしたくなり、上手くいかなかったら他人の所為 にしたくなる。つまり謙虚さがなくなってしまう。人の話に耳を傾けなくなり、どんな情報でも眼に止まらなくなる。
先ず自分は生かされている、と思わなければならない。自分が、自分がと思い始めると、余計おのれを見失ってしまう。自分の命は自分の物ではなく、宇宙から の授かり物である、と思っている。私の様に自己顕示欲の強い者にとっては、それ位で丁度いい加減である。感謝の心とは、実は日頃から自分自身に言い聞かせ ている言葉でもある。奉仕の心については、折りに触れ述べているが、人間はどれだけ多くの人のために尽くせるかで、価値が決まってくるのではないだろう か。先ず自分自身、自分の家族に尽くせなくて、他人に尽くせる訳がないと思う。そこから輪を拡げていけば良いのだ。その輪は人によって違うから、十人単位 の人間もあれば、百人単位、千人単位、あるいは億単位の人に奉仕が出来る人もある。それぞれの人が持って生まれた天命だから、それはそれで良いと思う。要 はあらゆる物に「愛する心」を持つ事が先ず大切なのである。
後段のプラス発想についてであるが、広義の意味での[心]と解釈して欲しい。マルゾーによれば、人間には5段階の欲求があり、最高の欲求は自己実現にある と言っている。人生における成功は、自己実現にあると私も思っている。これは、新しい科学、つまりニューサイエンスと呼ばれている分野であるが、人間には 無限の能力があり、強く念ずればあらゆる事が実現可能なのである。少し分かりにくいかもしれないが、人間には、顕在意識と潜在意識があり、顕在意識の中に 顕在能力があり、潜在意識の中に潜在能力がある。顕在能力とは読んで字の如く表面に表れている能力の事であり、潜在能力とは本来持っているのだが、本人も 他人も気が付いていない能力の事である。無限の能力とは、潜在能力が無限であると言っているのである。大事な事は、人間の行動の90%前後は潜在意識、分 かり易く言えば無意識で行っているのである。置き換えれば、習慣とでも言おうか癖とでも言おうか、とにかく殆ど無意識のうちで行動をとっているのである。 例えば、朝、顔を洗ったり歯を磨いたりする日常の行動から、車の運転、仕事の進め方、挨拶の仕方等々、9割は潜在意識なのである。だから余計に始末が悪 い。何故なら潜在意識は自覚症状がなく、良い行動か悪い行動かが解らないのである。回収の悪い営業マンは、こちらが少し気を抜くといつの間にか、また回収 が滞ってしまう。少し前に、巨人のエースで百球肩などと言われ、百球を超すと不思議に球速が落ち、変化球の切れも悪くなる投手がいた。このエースも営業マ ンも悪い例だが、この人達のどこにそうなる行動パターンがあるか、本人は気が付いていないが、彼らが無意識層に思い込んでいる結果、そうなってしまうので ある。
良い結果を望むなら、良い行動を起こさなければならない。良い行動をする為には、潜在意識の中に、出来る限りプラスのイメージを吹き込む必要がある。その 方法は、就寝前とか、寝起きとか、あるいは夕方頃に、腹式呼吸を5~6回行いながら、自分が望む良い結果をイメージし、自分自身に吹き込んでいくのであ る。何故その時間なのか?それはその頃、人間が最もアルファー波を発するからである。アルファー波状態の時、潜在意識の中に、最もイメージが入り易いので ある。
これらの事を、分かり易く教えてくれた人が、水口先生その人である。もう10年以上も前の事である。私の友達に紹介をしてもらって、最初にお会いした時は 変な人だなぁ、と云う印象だった。百聞は一見にしかず、で早速水口先生の研修に、2泊3日で参加した。それまで研修と云えば、講義方式の研修ばかりだった ので、筆記用具も何もいらない研修は面食らった。寝っ転がったり、スプーンを曲げたり、名刺で割りばしを切ったり、私にとっては目新しい事ばかりだった。 そんな体験をしながら人間とは、人間の能力とは、人間の命とは、人生とは、宇宙とは等々を、身をもって教えて頂いたのである。今は、時々思い出したように 先生に連絡を取り、ご無理を言って会って戴く。しかし、いつお会いしても違和感がない。先生がおっしゃる「ホロンネットワーク」で結ばれているのである。 先生には、欲得が微塵も感じられない。私は、悩みや迷いをお話するが、先生は殆ど解決策は言われない。私も唯、聞いて貰えればそれでいいのである。不思議 な関係である。そう言えばここ2年程お会いしていない。久しぶりにお会いしたくなった。

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