或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


第一部 ~君は父親を越えられるか~


第二章 ゴルフについて一言

先日テレビを観ていた。NHKのあるスポーツ番組だった。その中で全盲の人のゴルファーを取り上げ、特別番組を組んでいた。生まれつきの全盲ではなく、事 故か病気で目が見えなくなったのだそうだ。奥様が、盲導犬の様に誘導し、クラブをゴルフボールにソールする。本人はそれを信じアドレスをし、スイングし、 ボールを打つのである。距離は、勿論奥様が教える。ショットはまだしも何とかなるかも知れないが、パットはどうにもならない。スコアは驚く勿れ、109で 回られた。当たり前の事だが、普通のゴルフコースである。それを観た私は、自分はゴルフが巧いなんて、とても恥ずかしくて言えないと思った。
最初にゴルフをしたのは、大学4年の時だった。北海道へ友達3人で旅行に行った。丁度函館に友達が居たので、夏休みを利用して、当てのない旅をした。先 ず、函館の友達の家に転がり込んだのだが、運悪く台風に見舞われ、1泊のつもりが3泊になってしまった。麻雀にも飽きたので、ゴルフにでも行かないか、と 云う事になり、台風が過ぎ去るのを待って、近くのゴルフコースへ行った。そのコースは、ショートホールばかりで9ホールのミニコースだった。私と伊豆の下 田の友人は、それが全くの初めてであった。他の2人はほんの少しだけ、経験があった。その時一つだけだが、私はパーを取ったのである。トップしたボールが コロコロと転んでいって、オンをしてツウパットでパーを取ったのである。その感激が私にゴルフをさせる要因になったと思われる。
その後、父に連れられて水上ゴルフの練習場で簡単に教えて貰い、本格的なコースに行った。ハーフでボールを14個失い、キャディに叱られて、残りのハーフ を回らせて貰えなかった。惨めなデビュー戦だった。仕事をし始めてからは、毎月曜日(当時営業は月曜日が休みだった)近くのゴルフ場へ出掛けた。キャディ を付けると五月蝿いし、格好悪いので自分でバックを持って回った。1日2ラウンドしたことも、何回かあった。その内、気の合った者が集まるようになり、ゴ ルフコンペを開催するようになった。そのコンペが、今の新光会の前身になっており、今日までに130回を数えるようになっている。
本格的にゴルフに取り組むようになったのは、新光工事時代に、JCに入会してからである。それまでは、100前後の腕前だった。JCに入会して2~3年頃 だったと思う。ゴルフの好きな仲間が15人程集まってある会を作った。その会の中で、1人ずつ自分の目標スコアを発表するのだが、他の全員が同意して初め て、1人1人の目標スコアが決定する。私は、92と言ったが認めて貰えず、結局86という目標スコアになった。私にとっては前人未到のスコアである。その スコア以下で回った場合は、他の14人から壱万円ずつお祝い金が貰える、と云う特典がある。一度切ると、20%ハンディが減る事になっていた。つまり、私 は目標が86だから、ハンディは14と云う事になり、次は、14×20%で2.8減り、次回ハンディは11になる。その次は8になる。証明のために、メン バーのアテストが必要だった。また、自分自身で集金はしにくいので、それぞれに集金人まで決められていた。会が発足して間もなく立て続けに、3人の集金人 が私の処へやってきた。私は自分の目標スコアが余りに高かったので、他の奴らもきっと無理だろうと気楽に考えていた。私は頭にきた。週1回コースへ行き週 3回練習場へ行く、と云う目標設定をした。結果として、私は3回スコアを切った。合計42万の金が私の手元に入った。出ていった金も25~6万位はあった であろう。それにしても、2人の者はとうとう目標スコアが切れなかった。余計なお世話だろうが、そいつらはいくら支払ったのだろう?10年以上も前の話で ある。
私には、楽しくゴルフができるメンバーが4人いる。ハンディ順に言えば、4、7、10、10と、私が11である。でも、誰も私を11では扱ってくれない。 私のハンディの扱いは8である。私はもう10年以上もハンディ改正をしていない。また私は月例などの公式競技に出場するのが、余り好きではなく、気の合っ た仲間とワイワイ楽しくするのが好きな方なのである。大していいショットでもないのに「ナイスショット」などと口が裂けても言えないタイプなのである。
ハンディ4の男は、私の身の回りでは最も尊敬する人物である。2年連続あるゴルフ場のクラブチャンピオンになった。所謂、クラチャンである。私と比べて、 ひとつひとつのショットはそれほど変わらないのだが、アプローチとパットが比較にならない。特に、パットは下手なプロより巧いと思う。しかし、決定的に違 うのは、ゴルフに対する真摯な姿勢である。私などは、ボギー以上のパット等は、ついつい、いい加減に打ってしまうのだが、彼は違う。とにかく熱心であり、 好感の持てるゴルフをする。だから、いくら負けてもそんなに腹が立たないのである。私はよく彼に言う。「あんた、悩みがないのか?奥さんが浮気していると か、子供がグレかかっているとか、会社の売上が伸びないとか」彼はニコッと笑い返すだけである。
ハンディ7の男は誤解され易いタイプである。握りが大好きで、誰彼なく誘う。それは彼一流のサービス精神なのである。根は優しい。ゴルフが心から好きで、 こよなく愛している。私とタッグマッチを組んで、4の男と勝負する。あまり勝ち過ぎると、優しさが表われ、結局終わってみるとドローと言うケースがよくあ る。豪快で気持ちの良いゴルフをする。私は彼が大好きである。しいて言うなら、私と組んだ時、何でもないショートパットを外さないで欲しい。これが唯一の 注文である。
私は年間25~30ラウンドだが、彼らは80ラウンドは回る。しかし、何処かで私を恐れている部分がある。ここ一番で、とんでもないショットやパットをす るからだ。そう言えば、随分彼らとプレーをしていない。血が騒ぎ出した。
男女合わせてプロゴルファーの中で岡本綾子を最も尊敬している。彼女のあの柔らかなフォーム、ゴルフに対する考え方、人間としての生き方、大好きである。 ここ2~3年の間に、是非一度一緒にラウンドしたいと熱望している。行かねばならないと思っているコースは、セントアンドリュースのオールドコースであ る。そこで先人達と心行くまで、語らいたいと思っている。
そう言えば明日はゴルフだ。また、普段より早く眼が覚め、妻に笑われそうだ。

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