或る二世経営者のホームページ ~香山廣紀 かく挑み、かく歩む。~

或る二世経営者の挑戦


終章 ~それからの「或る二世経営者」~


Ⅰ 総括

まず、読者の皆様にお詫びするところからこの総括を始めなければならない。

 5年前に掲げたグループ総売り上げ228億、経常利益5%(114000万)の目標は、達成はおろか殆ど横ばいに近い結果となっている。数字を記すと、売り上げは18,181,553(千万)経常利益367,226(千円)で、それだけを捉えると全くの停滞である。

 その要因を分析してみると、先ずはネットワークを率いる議長である私の能力不足が挙げられるが、少し言い訳させて頂くなら、嘗て一度も経験したことのない「デフレ経済」を読み切れなかった事が、最も大きな原因の一つである。土地神話といわれた時代から、土地の値段が下落すると言う現実を我々が受け入れるのには、相当な時間を要した。サラリーマンの給料は上がるものであった。だから住宅ローンは比較的組みやすく、利用する側にとってさほど苦になるものではなかった。そんな中でも『サンホーム兵庫』を根とする企業群、リフォーム兵庫、カーペンターズ兵庫、ガーデン兵庫は、5年前と比較すると売り上げでは110%、経常利益は159%である。一方新光建設を根とする企業(新光コーポレーション、新光プレカット)は多少凸凹があるにせよ売り上げで75%、経常利益に至っては5年前も現在もマイナスで、それが3分の1位に改善されている程度である。またいずれにも属せず独自の路線を貫いた『ニューマテリアル兵庫』は、売り上げで120%収益では221%である。個々については詳しく記そうと思っているが、一言で言えば規範、企業文化の違いである。

 サンホームグループと新光グループとの決定的な違いは、自立心の程度差である。サンホームグループは自立心が7割は感じられるが、方や新光グループは3割位しか感じられない。ただ新光プレカットは、一度地獄を(大規模な構造改革を断行した)見ただけに、自立心は非常に高いものがある。やっと企業らしくなりつつある現況である。全てにおいてそうであるが、最も重要で肝心要の生命線である受注に関して特に顕著である。サンホームグループの営業も時々は「お客様が少ない」とは言うが(彼らが言うお客様が少ない、と言うのは実は嘘で、正確には契約できるお客様が少ないと言う意味)、それは会社に責任があって、会社が探せとは言わない。一方新光グループは露骨には表さないが、お客様は会社が探すもの、もっと極端な言い方をすれば受注はかってに天から降ってくると、思っている節がある。ゼネコンにおける『入札』と言う制度が組織を蝕んでいる、と私は思っている。一度染み付いた集団規範を変えるのは本当に莫大なエネルギーがいると、頭の中では理解しているが、実際の現場において改めて実感している。それでも救いは、新光コーポレーションには自立の兆しが見え始め、新光プレカットは一年以内には、名実共に企業として独り立ち出来そうである。残るは『新光建設』である。私は「代表取締役会長」という地位にある。勿論無報酬ではあるが、その責任からは逃れられない立場にあることは自覚している。

 昨年(2012年12月)に政権が民主党から自民党に変わった。これほどまでにも民主党が大敗するとは正直思っていなかった。私は民主党が過半数は獲れなくてもせめて第一党になり、どこかの政党と連立を組んで、引き続き政権を担当して欲しかったと、願っていた一人だった。今現在(2013年1月)「アベノミクス」とやらで、金融市場は円安に進み、株価も12000円を目指す勢いである。しかし私は、日本における経済は勿論、金融、教育、外交、年金制度、社会構造等々、全てにおいて何一つ根本的に問題は解決されず、所謂政治家や官僚が得意の「先送り」されている状態である。しかも彼らはそれを認知しているにも関わらず。様々な矛盾を包括しながら、この夏の参議院選挙に向けて、日本は押しやられようとしている。